開発テーマ

"X-Tech 2020” ~ Innovation for ourselves ~

新型コロナ感染症によりお亡くなりになった方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに,医療従事者をはじめ感染症拡大防止に日々ご尽力されている皆様に深く感謝申し上げます.また,大学においては,外出自粛指示,キャンパスへの入構規制・自粛によって,皆さんのキャンパスライフには大きな影響がでてしまいました.学生生活にとって,極めて重要な 仲間との対話や創造的な協働作業に甚大な影響を及ぼすことになり,それは,多少は改善したとはいえ,現在でも継続しています.
オンラインによる講義の実施は,大学の本務である講義の実施を100%ではないですが可能にすることができました.もし,デジタル・コンピュータネットワークシステムがなかったらと思うと,大学の運営に限らず,2020年のすべての社会・経済活動壊滅的な状況になったことでしょう. すなわち,デジタル・コンピュータネットワークは,コロナ禍を最小化するために大きな貢献をしたと捉えることができます.
コロナ禍が発生する前は,DXと称される デジタル・トラスフォーメーション(Digital Transformation)が叫ばれ,FinTech (Finance×Technology), EdTech (Education×Technology), MedTech(Medical×Technology) などなど,いろいろな分野と情報技術を掛け合わせた新しい分野がたくさん創成・開拓されてきていました. この流れは,コロナ禍によって停滞・退化するものではなく,むしろ,その必要性・重要性が顕在化,さらに重要視され,ポストコロナ社会にとって,必須の進化であると認識されています. すなわち,すべての社会・産業活動が,デジタル化,ネットワーク化され,感染症への対処能力を持った新しいシステムに進化することになるのです.

JPHACKS2020では,学生諸君の柔らかい発想で,情報技術と面白い何かを掛け合わせて,自身の身近な問題・課題を解決するためのクリエイティブなアイデアを創出し,それをクールに形のあるものにしてくれることを期待しています.
そして,その成果が次の社会に貢献する可能性を探りたいです.
情報技術と掛け合わせる相手は何でもかまいません.例えば,過去のX-Techで受賞した例は,

などなど,学生諸君の自由でクールな発想を期待しています.

組織委員長より(江崎浩)

JPHACKS 2020は,フルデジタルでの開催としました.学生諸君のハッキング活動を「自粛しない!」,「もとに戻さない(退化させない)!」ためです.そして,学生諸君だけではなく,JPHACK自身の進化,すなわち DX(デジタル・トランスフォーメーション)を期待しています.
日本最大級の学生ハッカソンであるJPHACKSは,企業が主導する課題解決型のハッカソン,個別の大学が主導する教育型のハッカソンとは異なる新しいコンセプトの特徴ある,大学と企業の垣根を超え,かつ世界を意識したハッカソンを目指します.しかしながら,共にアイデアを洗練し実装するローカルなチームの結束・団結・協力の醸成も同時に目指すものです. 2016年度は「未来を担うイノベーターを発掘する」を基本テーマにしましたが,2018年度は「イノベーターになろう」とし,企業や大学の視点ではなく,JPHACKSの原点である「学生の視点」に回帰することにしました. 2019年のテーマは,自身(一人称)の問題を自身(一人称)で解決することを目指してほしいとと考え,「X-Tech 2019 ~Innovation for myself & by my hacks ~」としました.

2020年は,フル・オンラインでの開催とし,「X-Tech 2020 ~Innovation for ourselves~」とし,自身だけではなく我々の問題を仲間と一緒に解決することを目指してほしいと考えました.
「Technologyを駆使してあらゆる業界にイノベーションを引き起こすだけではなく,ポストコロナ社会の創成の第一歩を踏み出すことを目指す新しい形態のイノベーターグループを形成しましょう」.
一般のハッカソンでは具体的テーマがハッカソン会場で提示されることもありますが,JPHACKSは学生諸君に,じっくりと準備できる余裕を与えることで,より「深い」内容のアイデアや作品を生み出すことを期待することは,フルオンランで開催する今回も変わりません.これまで,2日間の対面型で開催したHack Dayと同様に,今回のHacking Sprintでも,それまでの準備の上に何を積み上げることができたか,どんなブレークスルーを成し遂げたか,どんなアイデアが打ち出せたかが,最も重要な評価軸となるのは変わりません.
参加前にすでに大きな実績のあるチームと,フレッシュな感覚でイノベーションに挑戦するチームが同じ土俵に立つことで評価に不公平がないように,Hacking Sprintでの「伸び」を高く評価できる仕組みを用意します.
そのため,JPHACKSに参加する学生諸君は,エントリ時にこれまでの研究室等での実績や研究背景に関する簡単な説明と,Hacking Sprint参加直前の準備状況に関する進捗状況の報告を提出していただきます.
スポンサー企業さまが,それぞれ独自の視点で評価されることもあり,JPHACKSの評価軸は非常に多様なものとなります.
このように,JPHACKSはいわば「無差別級」の学生ハッカソンであり,学生諸君の今後の多様でイノベーティブな活躍を促進することを目標とします.
また,JPHACKSに参加した学生諸君が,将来,新しいグループを創成する核となり新しい社会イノベーションを先導されることを期待しています.
最後に,新型コロナ感染症で他界された方々に心からお悔やみを申し上げますともに,医療関係者の方々をはじめとした感染症対応とその拡大防止にご尽力されているすべての方々に感謝と敬意を表させていただきます. そして,我々が,このような禍を解決することができるポストコロナ社会の構築に貢献することができることを願っております.